日曜日, 3月 18, 2007

ラスベガスのカジノとECは似ている?

本屋で他の本を探しているときに、たまたま目に入った本を読んでみた。

ラスベガス 黄金の集客力



アメリカの地理に疎いので初めて知ったのだが、豪華賢覧なイメージのある
ラスベガスだが、昔は産業も何もない、砂漠の場末の街だったらしい。

そこへ世界中から観光客が来るようになったのは、単にギャンブルを公認したから、
というわけではなく、地道なマーケティングとサービスの積み重ねがあってのこと
だとか。

この本はそういったことを例を挙げて解説しているのだが、読んでいてECに通じる
所が多い気がした。思ったポイントとしては、

決して最初から恵まれているわけではない
私は開設したばかりのECサイトなんて、「表通りから2本裏に入った通りにある、
看板の出ていない地下1階の店」みたいなものだと思っている。成功している
モール等を見てサイトさえ出せばと思う経営者が相変わらず後を絶たないのが
不思議ではあるが、一方で、日本からラスベガスに視察に来る人は、カジノという
箱さえ作れば成功間違いなしと思っている人が多いらしい。逆境を乗り越えるために
アイディアを搾り出し、実践するという地道な積み重ねがその店のサービスレベルを
作っていくのは同様だと思う。

損して得とれ
ホテル・レストランなどの周辺サービスは激しいサービス合戦なのだそうだ。
客もカジノのホテルやレストランが「損」の部分だと知っているから、ちょっとした
サービスではちっとも振り向いてもらえない。しかし、カジノのしたたかな所は、
だからと言って来てるだけでカジノで遊ばない客には無料ドリンクを断るなど、
「ただ乗り」をもくろむ客になめられるようなことはしない事。ポイント合戦なのは
カジノもECも同様だが、カジノのポイントが単なる消耗戦にならずに済んでいるのは、
ポイントの損をそこそこで抑え、もっと他のことでの満足度を上げるように腐心して
いるからではないかと思った。

利便性を合理的に追求
ラスベガスはガイドブック受けするような特徴には事欠かない街。当然お客さんは
色々な他のホテル巡りをする。が、ホテルは中のカジノで遊んでくれなければアガリが
回収できないため、お客さんの利便性を上げる工夫をしている。本業の一番
ど真ん中のサービスについては、顧客視点での利便性追及をとても細かく行って
いると思った。ネットサーフィンをして多くの店を比較することが容易で、
しかも、見回ること自体が楽しみになっていることもあるECも似ている気がする。

でっかいWao!を
ラスベガスは、いろいろなモノのスケールの大きさを競っている感があるが、
これらは全て、いかに訪れた人に強い印象を残すかを一所懸命に考えているから
だとか。本気で感動したこと、印象に残ったことについては、人は放っておいても
他人に話す。これがホンモノの口コミマーケティングだと思う。近年ネット上で
「口コミ」を狙ったプロモーションが多いが、「他人に話したくなるような
Wao!」が殆どないまま、口コミのインフラをお膳立てするだけで口コミを
期待しているものが多いのではないかと思った。


計算のあるセオリー破りを
前例のないことをするのが、ライバルに大きく勝つための成功法則ではあるが、
奇抜なだけで終わってしまって、オープン後半年ほどで潰れてしまうホテルが
たまにあるらしい。セオリー破りは奨励されるが、一方で周到な計算がないと
自滅して当たり前、という感覚は、リアルの既存流通に挑戦するECの世界でも
意識すべきことだと思う。