土曜日, 11月 19, 2005

今日のセミナー雑感

思ったこと。

1)ポータルはAjaxの対応ぶりを誇示するかのように競って地図サービスを展開中という印象

地図サービスは見ていて楽しいのだが、スクロールを繰り返しているうちに酔って気持ち悪くなってしまう・・・。「3D酔いしないMapです!」というコンセプトのものが出てきたら一目に値すると思う(半分冗談、半分本気)。

しかし、こんなにレストランを簡単に探せるサービスが沢山出てきちゃったら、ぐるナビとかどうするんだろう?と思わずにいられない位、今まで存在したどんな地域情報サービスと比べても最強というレベルになりつつあるので、これで車から利用できるネットインフラができたら、カーナビなんてものはあっという間に淘汰されてしまいそうに思う。

各種PCメーカーはリビングルームに入り込むのに必死だが、既に車のコクピットを狙って水面下でいろいろ準備がされていたりするのだろうか?

2) Web2.0時代の人々の情報発信のインセンティブは何?

Web2.0っていまいちよく分からないのだが、インターネットが情報の公共インフラになって、発信される情報が「サイト」の垣根を越えて流通したり、Web上のサービスがWebサービスとしてモジュールのように提供されることで、ユーザーが情報の収集方法を自由にカスタマイズできたり、ということが言いたいのだろうか?

Web2.0のコンテキストでは「口コミ」という情報をかなり評価しているように感じるが、情報の発信が盛んな理由の一つであるアフィリエイトとの関連でWeb2.0が語られることが少ないのは不思議だ。

3) Blogの検索はパっとしない

話を聞いていると「誰の発言がコミュニティに大きな影響力を持っているか」を突き止めて、追っていくのに熱心なご様子。しかし、個人的に不思議なのは、ビジネスブログがこれだけ盛んになりながらも、相変わらず個人のブログの方が情報ソースとして価値があるという前提を感じること。

トラックバックやコメントでブログ間で議論が深まっていくケースでは情報源は個人というのは正しいと思う。でも、実際には単にニュースについての雑感を述べていくブログもかなり多い。

私はパソコン通信の時代は知らないのだが、その頃のNiftyのフォーラムはリテラシーの高い人しかいなかったので情報の質が高かったという話はよく聞く。

どうしてもコミュニティのメンバー数とそこで流通している情報の質が反比例することを避けられないのだとしたら、ブログから得られる情報というのは、これだけブログ人口が増えるとかなり低下しているのではないか。

あるニュースリリースを元にした、似たような紹介エントリーや他愛のない雑感がドバーっとできるとしたら、まさか時系列で評価するわけにもいかないだろうし、順位づけに苦労しそうに思う。

4) APIの仕組みとマネタイズのからくり

ブラウザによるWebアクセスに関しては、ペイドリスティングやアフィリエィトによる広告費回収のモデルが確立し、お金がジャブジャブ言っている状態になってきたように思う。一方で、最近はそのサイトの持つ機能を外部に無料で提供するためのAPIの準備が盛んだ。

Web2.0の時代はインターネットはフリーでオープンを基礎として多様なサービスが展開されるという理想図からすれば、このようなAPIが世の中にどんどん供給されるのはまさに美しい展開といえよう。

しかし、WebAPIではクエリーの結果に広告が入り込む余地がそれほどなさそうだ。ユーザーが自由に情報の取り込み方を選択できるのがWeb2.0時代だとしたら、広告のデータなんてポップアップブロッカーに邪魔されたバナー広告よろしくフィルタリングされてしまうのではないか。そうしたら、今はじゃぶじゃぶ溢れる広告費で潤っているAPIの供給元は減収になってしまいそうに思うのだが、どういう絵図を描いているか興味がある。

最初は無料で利用させておいて、引き返せないくらいそのサービスの利用が進んだところで、利用フィーをとるようになるのか?でも、これって何か前時代的な印象で、Web2.0とか言いながら目指すモデルにはあまり思えない。

となると、やっぱりげんりさんの言うとおり、無料のサービスをエサに個人にIDを発行して利用させ、利用データを貯めこんで、その行動・嗜好データと、検索エンジンがストックしているメタデータを組み合わせてパーソナリゼーションのプラットフォームを作ることで何か新しい価値を創造しようとしているのか・・・。うーん、人々はそんなに機械で生成されたパーソナライズ情報を欲しているのだろうか?

5)Google Baseの目的は?

コンセプトを聞いたときはWikiのようなものかと思ったが、話を聞いていると書き込みにIDが必要だったり、「発信インフラを持たない人には情報のホスティングスペースを提供します」と言っていたり、どうも人類共通のナレッジベースを作るという感じとは違う印象を受けた。

これはそこにたまるデータが写真をメインにしているFlickrのまねっこサービスだと思えば結構あてはまる。情報にタグづけなんて、個人にとっては写真以外にするインセンティブがないだろうし。

6)マルチメディア検索

検索でマルチメディアファイルを探せると聞くと、なぜか「お宝画像」と呼ばれるものや、mp3のダウンロードなどアングラなことしか思い浮かばないのだが、マルチメディアファイル検索と呼ばれるものは何を指向しているのだろう?音楽のダウンロード販売先を探せるようにすること?仲間内でイベントの時の写真やメモリアルビデオをシェアできるプラットフォーム上で整理整頓をしやすくすること?

よく考えがまとまらないが、今まで考えたこともなかった事柄について考えるインスピレーションをいろいろ得た一日であった。